拮抗筋という概念

学校の授業にダンスが組み込まれたことも手伝ってか、最近の若い子たちは皆さん総じてダンスが上手いです。ダンサーのクライアントさんのお身体を拝見すると、さすがに鍛えられて引き締まってます。

 

先日お越しくださった方は、全体的にスマートな印象を受けたのですが、露出する場所だから、という事情もあるのでしょうけれども、首の筋肉の隆起はひと際目立ってました。鍛え込まれた筋肉という感じです。

 

理由を尋ねてみたところ、「激しくアタマを振ることが多いからでは?」とのこと。翌日、首周りが筋肉痛になるのは当たり前、なんだそうです。もちろん、ダンスの種類にもよりますが、アタマを前後左右に激しく振る場合、振り切って関節の可動範囲を超えてしまうと、靭帯や筋肉、あるいは関節に損傷がでます。

 

ところが、実際にそうならないのは身体を痛めないように、動かす動作とセットで、対になる筋肉を使用してブレーキをかけているからです。これはなにも頭部に限定したことではありません。走ったり歩いたりする時でも同様のメカニズムが働きます。

 

例えば、下り坂を重力にまかせて駆け下りると、平地を走るよりも当然ながらスピードがでます。ところが、うまくブレーキを掛けながら走らないと、筋肉や関節を痛めてしまいます。

 

マラソンをするとき、上り坂よりも、下り坂を走るほうが技術が必要だと言われるのはそのためです。練習でも、上り坂を利用することの方が多いのは、故障する確率が低いから、という理由もあるわけなんですね。

 

脱線しましたので、話を元に戻しますが、ダンスにて激しく頭部を振ることは、同にブレーキをかけながら行っているわけで、その動作を高速で繰り返すと、自ずと首周辺の筋肉が鍛えられる、というわけですね。なかなかに大変な職業だと思います。